「《文化》による人間力の発信を」
 今回のコロナウイルスの流行は世界中に広がっていることから、国際協力なしでは解決のめどは立たないと言われています。例えばコロナワクチンに関しても、例え自国だけが接種率を上げたとしても、世界的な接種率を高めないと、人の行き来は再開されません。ですから、「COVAX(コバックス)ファシリティー」という枠組みを立ち上げて、途上国や新興国も含めた供給体制をつくられました。
 つまり、コロナだけでなく環境問題なども含めて、いま世界が抱える課題を解決するためには、「自分さえ良ければ」という考えから脱却し、力を合わせることが大切になっています。
 にもかかわらず、自国分のワクチンだけを囲い込む動きが広がったり、更には、中国のウイグル族の人権侵害などに端を発した大国同士の対立の深化や、クーデターで国軍が権力を握ったミャンマーでは治安部隊の弾圧で多数の死傷者がでたりと、世界が一つの共同体としてのつながりを深めなくてはならないときに、それに逆行する動きが加速していることに非常に危機感を感じます。
 以前に紹介しました「貞観政要」でも触れられていますが、「権力を持てばおかしくなり、三年でバカになる」という諺は、池田市だけでなく世界においても同じことなのかと思わずにはおられません。
 各国のリーダーは、それぞれ自国の権益の拡大を考えているにせよ、本来、平和を望まない人間はいないはずです。また、心の底では、対立や分断の愚かさに気づいているにちがいありません。ですから、人間の心に巣くう権力の魔性を打ち破り、正常な人間性を呼び覚ますためには、《文化》の力が必要だと考えます。
 対立や分断の本質は、暴力、野蛮であり、その対極にあるものが文化です。文化とは「文をもって化す」ことであり、人間の心を耕す作業といえます。暴力や権力、金力といった人間を脅かす外からの力に抗して、人間性の勝利をもたらす内からの力です。
 そして、文化は、その民族や国家を理解する、最も有効な手がかりとなります。また、文化は固有性とともに共感性をもち、民族、国家、イデオロギーの壁を超えて、人間と人間の心を結ぶ磁石の働きをもっています。
 実は、池田市は歴史的にも古くから、交通の要衝として多くの文化が育まれてきた土地です。江戸時代中期の絵師「呉春」をはじめ、古典落語や文楽の舞台としても度々登場し、呉服座などの大衆演芸も現存しています。最近では、日本一のステージ回数を誇る「ミュージックバル」(今はコロナ禍の影響で休止)も有名で、多くの市民の方が楽しまれ、市外の方からも注目を集めています。
 本市行政の方もこのブログを見ていただいているそうなので、提案なのですが、年内にはインターネット上で仮想パビリオン「バーチャル大阪館(仮称)」がオープンするとの事です。是非ともそこに「池田館」を開設していただきたいと思います。そこで、池田市特有の文化を発信してほしい、できれば「仮想ミュージックバル」も開催してほしいと思います。そこで、投票が多かったところは実際の万博で採用されるそうなので、いろいろと問題のあった池田市だからこそ、《文化》による人間力を発信できればと願うところであります。